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前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔 「ミス・ヴァリエール。罰としてあなたにはこの教室の片づけを命じます。もちろん、使い魔に手伝わせてはなりません。」 騒ぎに駆けつけたコルベール教師はルイズにそう命じた。 ミセス・シュヴルーズは完全に意識を失っていたし、生徒達は今にもルイズを吊るし上げんばかりだった。だからルイズに同情的なコルベールでもそうさせざるを得なかったのだ。 それから一時間。まだ片付けは終わる気配を見せない。 教卓はばらばらに吹き飛んでいたし、教壇にも大穴が開いて使い物にならない。黒板は真っ二つに折れて右側が地面に伏せられていた。 生徒達の机は、距離があったためばらばらにこそならなかったものの、あちこちにヒビが入ったり吹き飛んだりして、前二列は半壊状態。後で取り替えなくてはならない。 窓ガラスは一枚残らず吹き飛んでいる。剥げた塗装に吹き飛んだ照明、床一面の煤や埃etc。要するに教室を一つまるごとぶち壊してしまったのだ。片づけがそう簡単に終わるはずもない。 だからこそいきり立つ生徒達も溜飲を下げたのだが・・・。 ルイズは今、半分に千切れた黒板と格闘しているところである。その小さな体をいっぱいに使って、黒板を外に引きずり出そうとしている。 康一はそれを手伝うわけにもいかず、さりとて放っておくわけにもいかず。その様子を見ていることしかできないのだった。 「す、すごい爆発だったね!」 なんだか気まずい康一が話しかけた。 「あれを喰らったらどんな敵でもKOしちゃうよ!」 できるだけ明るい調子で言ったのだが、ルイズはこちらに振り向きもしない。 バツが悪くて康一は頬を掻いた。 「痛っ!!」ルイズが右手を押さえた。 「だ、大丈夫?」 康一が駆けつけると、ルイズの手からは血が滲み出していた。恐らく折れた断面を握ってしまったのだろう。 「怪我してるじゃないか!」 康一はルイズの手を取った。 「触らないでよ!!」 ルイズは康一の手を振り払った。 「その手じゃもう無理だって・・・。休もうよ。」 ルイズは手を押さえたまま、黙って首を振った。 「でも・・・大体、女の子一人でこんなのおわりっこないんだよなぁ~」 康一は途方にくれた。 「・・・成功するかもって・・・」 ルイズがぼそりとつぶやいた。 「え?」 「成功するかもって。今度こそ成功するかもって思ったのよ。」 ルイズはうつむいたままい言った。 「そ、そうだよ!誰だって失敗することくらいあるよ!あんまり気を落とさないで!」 康一は励ましたが、ルイズはぶんぶんと頭を横に振った。 「今まで、一回も魔法が成功したことなんてなかったのよ。小さい頃からそう。どれだけ試しても、爆発するばっかりでただ一度だって成功したことなんてなかったの・・・」 康一は息を呑んだ。 「わたし、小さいころは、大きくなったら魔法が使えるようになるんだって思ってたの。お父様やお母様の期待に答えられるって。ヴァリエール家にとって恥ずかしくない娘になれるって信じてたの。」 ルイズは何かに耐えるように上を向いた。 「でも・・・だめだったッ・・・!今の今まで、一度も期待に答えられたことなんかなかった・・・。いつの日か・・・いつの日か・・・ずっとそう思い続けてきたけど・・・」 康一は躊躇いがちに言った。 「でも・・・ぼくの召還は成功したんだろ?」 「そうね。呼んだのがあんたみたいな平民で、みんなには馬鹿にされたけど、あれが初めての成功といっていいわ。」 ルイズは、吐き捨てるようにハッと笑った。 「だから、ちょっと夢みちゃったのよ・・・。一度魔法が成功したから、これからは他の魔法も使えるようになるんじゃないかって。わたしも・・・これからは貴族として胸を晴れるんじゃないかって・・・。でも、その結果がこれよ・・・。」 『ルイズは焦っている。』康一はシエスタが言った言葉の意味がようやく分かった気がした。 「で、でもさ!これからもっとがんばったら、いつかきっと・・・」 「知ったような口聞かないでよっ!」 ルイズが康一につかみかかった。両手で襟元を握りしめる。康一の目の前で瞳から涙がこぼれた。 「わたしだってがんばってきたわ!だれよりも勉強したわ!だれよりも魔法を練習したわ!座学だって、作法だって、誰にも負けない!でも・・・」 襟を握り締める手が緩んだ。その場にぺたんと座り込む。 「でも、魔法だけは・・・貴族として絶対に必要な魔法だけはどんなにがんばっても使えなかった・・・。だから私はゼロのルイズなのよ。どんなにがんばっても、永遠に貴族になれない。ゼロのまんまなんだわ・・・。」 ルイズは血に染まった右手を胸で抱きしめた。煤まみれの床に涙が落ちた。 ずっと爪先立ちをしていたんだ。と康一は思った。 ルイズはずっと強いふりをしていたんだ。自分の弱さを誰にも悟られないように。 何より、ぼろぼろな自分に、まだがんばれるんだと信じさせるために。 康一は初めて、彼女の力になってあげたい。と思った。 でもどんなに頭の中を探しても、かけてあげられる言葉を見つけられなかった。 だから代わりに、康一は『見せる』ことにした。 「『エコーズ』・・・」 「え・・・?」 ルイズは煤と涙でぐちゃぐちゃになった顔をあげた。 「『エコーズ』っていうんだ。ぼくのスタンド。」 康一は「ACT1!」と叫んだ。康一の横に、突然白い生き物が現れた。 ルイズはこんなでたらめな生き物をみたことがなかった。 なんと形容したらいいのか、兵士が被っているような兜に小さな手と長いしっぽをくっつけたように見える。兜の下に目らしいものとくちばしがちょこんと覗いている。 その不思議な生き物は、康一の手からハンカチを掴み取ると、呆然と座り込むルイズの膝の上にふわりと飛んできた。 「なに・・・これ・・・」 「『エコーズACT1』だよ。ぼくの『スタンド』」 「でも、前に見たのと全然違うわ!」 「あれはACT3。ACT1はエコーズの一番進化前ってことになるかな。」 奇妙な化け物が目の前にいるのに、なぜかルイズは怖いと思わなかった。 ACT1が小さな手に持ったハンカチで、涙に濡れたルイズの顔を拭く。 そして小さな声で「ギャアース!」と鳴いた。 「ふふっ・・・」 なぜだろう。ルイズの目にはこの不恰好な生き物がひどくユーモラスで、可愛く見えてきた。 ルイズは『ACT1』をぎゅっと抱きしめた。 冷たいようで暖かい、堅いようで柔らかい。不思議な抱き心地だと思った。 「ぼくはさ、つい2年まで何のとりえもない・・・そうだな、ただの『平民』だったんだよ。でも、ある事件がきっかけで急に『スタンド』って力を得たんだ。」 だからさ・・・。康一はしゃがみこんだ。 「ルイズにだって、いつか『きっかけ』があるかもしれない。誰にもその『運命』がいつ来るかなんてことは分からない。まだ、諦めるのは早いんじゃないかな。」 といってルイズの目を覗き込んだ。 「それに『メイジを知るには使い魔を見よ』なんだろ?こんな面白い使い魔を持ってるメイジなんて、世界中で君だけだと思うんだけどなァ~。」 康一は大仰に手を広げて見せた。 ルイズはようやく、「馬鹿犬のくせに・・・」といって笑った。 前ページ次ページS.H.I.Tな使い魔
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登録日:2014/05/28 Wed 00 59 26 更新日:2023/02/25 Sat 10 54 22NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 3部 ジョジョ ジョジョの奇妙な冒険 スタンド使い スターダストクルセイダース ダーク・ミラージュ ポルポル ミカル 失語 妹 小説版 幻 臆病 蜃気楼 小説版「ジョジョの奇妙な冒険第3部 スターダストクルセイダース "砂漠発地獄行"」に登場する人物。 【概要】 ヌビア砂漠のとあるオアシスに、兄のアブサロムと2人で住んでいる少女。17歳。 臆病で引っ込み思案な性格だが、幼少期から器量が良いと村でも評判の娘だったという。 アブサロムと共に蜃気楼に映し出される景色を見に行くことが多く、蜃気楼が齎す映像そのものに強く惹かれていた。 物語の4年前、家族とカイロで旅行に行った際に鉄道事故に巻き込まれ、両親を失う。 自身もこの時喉を負傷して重体に陥ったが、現地人が異国の人である彼女とアブサロムの救出を後回しにしたため、救助が遅れ声を失ってしまった。 その後、兄とともにDIOと出会い、スタンド能力を身に着ける。 狂信的にDIOを崇拝し、文明人への憎悪をあらわにするアブサロムに対し、元々臆病な性格も手伝ってジョースター一行と戦うことには消極的だった。 アブサロム自身もミカルの不手際に怒りをあらわにすることがあるが、心の底では彼女のことを大切に思い、気遣っている。 【劇中での活躍】 アブサロムと共に「凶悪連結器」の運転席に乗り込み、スタンド能力で兄の戦いを援護する。 初戦では承太郎にその性格を見抜かれ、列車の窓に向かって投げつけられたイギーと「ザ・フール」に驚き、スタンドを解除してしまった。 翌日の戦いでは、人質を救出されてしまったアブサロムの命令で、蜃気楼を呼び寄せ自分たちに有利な戦場を作り出す。 自身は外からやってきたポルナレフに対し、安全な場所に隠れながら彼を追い詰めるが、居場所を特定され敗北する。 女性には紳士であるポルナレフにみね打ちで気絶させられ、その後はアブサロムと共に村人に救助された。 【能力】 スタンド スタンド名『ダーク・ミラージュ(闇の蜃気楼)』 蜃気楼を実体化させるスタンド。 スタンド像は身体の中心に水晶をはめ込まれた人型のスタンドだが、その姿は挿絵として描かれていない。 遠くに見える蜃気楼を自身の周囲へと出現させ、思うがままの世界を作り出せる。 通常蜃気楼は、実際にある場所とは別の場所にその物体を映し出す現象だが、この能力で実体化した蜃気楼の中には、タンカーやビル群等砂漠にはないはずのものまで映し出していた。 本作における蜃気楼は「実際にあるはずがないものをそこに映し出す」という定義がなされており、故に幻を実体化させる能力と言ってもいいのかもしれない。 実体化させる蜃気楼のほとんどは、ミカルが幼少期から見てきたアメリカ合衆国の幻がそのまま反映されている。 蜃気楼の原理に則り、夜間は能力が発動できず、昼間でも太陽がある程度昇りきった状態でなければ十分な効果は得られない。 大きさは自由に調節することが可能で、本作では大量の石油タンクを直径20センチほどに縮め、摩擦熱で燃え盛る大量の火球にしてポルナレフを攻撃した。 また、蜃気楼で作り出した世界は現実の常識や法則を無視して展開されるので、その中を「凶悪連結器」で高速で移動することで、相手を惑わし精神的に狂わせていくこともできる。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] この子を倒した時、峰打ちを知っていたことでますますポルナレフ日本通説が俺の中で深まったw -- 名無しさん (2014-05-28 01 03 52) レイピアに峰があるんですかね...? まあ、ガード部分で殴ったことを指してるんだろうけど -- 名無しさん (2014-05-28 02 30 30) レイピアにも種類あるけどチャリオットのオーソドックスなレイピアは刃になってないの多いよ。ポルポルさんが斬る時って切っ先で斬ってる様な描写多いしね -- 名無しさん (2014-05-28 05 50 44) ↑ミス チャリオットの -- 名無しさん (2014-05-28 05 56 47) 誤送信してしまった チャリオットの持つオーソドックスなタイプのレイピア -- 名無しさん (2014-05-28 05 58 42) 水晶じゃねーの? -- 名無しさん (2014-05-28 07 38 36) なんの関わりもない事柄に対して「我々は予見していた!」「我々のおかげで回避できた!」の後出しジャンケンはカルト宗教の基本だな -- 名無しさん (2014-05-28 13 25 34) ↑誤爆 -- 名無しさん (2014-05-28 13 26 07) 臆病な性格とかいいながら挿絵の格好は痴女っぽい -- 名無しさん (2015-08-26 22 55 24) お・・・おい荒木!?今いったい何をしたんじゃッ?臆病で引っ込み思案な障害者ミカルの格好を下着同然の格好にデザインしおって!?「なあーに 女性キャラあまり描く機会無いからセクシーにデザインしてるだけだ・・・ 外伝だし女描くの苦手だから俺の好みにデザインにするぜ! 」こ・・・今度は枯木の様なアンジェリカを巨乳にしおったッ!荒木きさまーッ!最近色々餓えているなッ! 「やれやれ こういう時は励ますもんだぜ・・・ 『これから本編で慣れない女キャラ沢山描くから 頑張れ荒木』 ってな 」 -- 名無しさん (2016-01-26 00 22 17) 違反コメントとそれに触れたコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2022-11-03 18 50 40) 名前 コメント
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宮中から戻ってきたルイズ一行。学院に戻ってすぐに、ルイズはオスマンに呼ばれて学院長室に向かった。 オスマンから始祖の祈祷書を渡され、その旨をルイズは聞かされる。 その際ルイズは、先程会話の途中に豹変したアンリエッタのことを思い出し、複雑な心境だった。 ゼロの奇妙な使い魔~フー・ファイターズ、使い魔のことを呼ぶならそう呼べ~ [第三部 未来への祈祷書] 第一話(16) 崩壊への序曲 その① 「僕のルイズー!クックベリーパイを持ってきたよー!」 学院長室から戻ってきたルイズを待ち受けていたのは、クックベリーパイを持ったマリコルヌだった。 「な、何よマリコルヌ。そんなもの持ってきて。」 暗くぼんやりとしたルイズが言う。 「きっと落ち込んでいるだろうと思って差し入れを持ってきたんだ。」 アンリエッタ云々の件はマリコルヌは知らない。 しかし信頼していたワルドに裏切られ、目の前でウェールズが肉塊になった。 マリコルヌはそれを考え、ルイズはきっと落ち込んでいるだろうと踏んだのだ。 「そ、そんなことされなくたって落ち込んでないわよ!ででで、でもね、折角持ってきてくれたんだから、たたた、食べないのは悪いわよね。 とっととと、特別に私といっしょに食べることを許可してあげるわ。ヴェストリの広場に行きましょう。」 「よ、よろこんで、僕のルイズ!」 ルイズはマリコルヌの行動に瞳を潤ませて感謝していたが、そんな顔を見られたくないので先頭をきって歩く。 ヴェストリの広場に到着した二人は、その場に腰掛けてクックベリーパイの皿をを地面に置く。 マリコルヌのマヌケな話を笑いながら食事をしている二人。 その様子を一人の人物が偶然目撃する。タバサだ。 (ルイズ…キュルケが死んだのに、仲の良い友人が殺されたっていうのに…貴女はどうしてそんなに笑っていられるの…。) キュルケの死が未だに頭から離れないタバサ。 キュルケの代わりにルイズを心配しようと考えていたその気持ちは、笑っているルイズへの憎しみへとかわっていった。 タバサはそのまま自室に戻り、キュルケのことを思い出し、眠った。 第一話(16) 崩壊への序曲 その② 「う~ん。まったくもって思いつかないわ。」 始祖の祈祷書と睨めっこをしながら、再び復活したFF下っ端に話しかけている。 その横にある窓からは、シルフィードに乗って出かけていくタバサが見える。 ただしルイズはそのことには気が付いていないのだが。 日はあけ、ワルド戦からは二日も経っている。 つまりタバサがプッチ神父と接触してから三日後だ。プッチとの約束の日である。 タバサは待ち合わせの魅惑の妖精亭に向かう。十二時という約束であったが、タバサはいても経ってもいられず、明け方に出発した。 勿論時間に余裕がありすぎるくらい早くついたので、そのあたりを散歩してから、約束の三十分前に店に入った。 するとそこにはあの男、プッチが既に座っていた。 タバサは警戒気味で椅子をひき、座った。 「これが解毒剤だ。」 タバサが座るとすぐに、プッチは液体の入ったビンを目の前に差し出す。 タバサは少し疑り深い目をしながら受け取った。 どうしてこのような物を持っているのか気になったが、それは口に出さない。 「それを飲ませれば君の母親はすぐに良くなるだろう。」 タバサは無言で頷く。 「次は父親の仇だ。実行するときは私を同伴しろ。そうすればいつでも討てる。」 「じゃあ今すぐ。それで条件は?」 タバサはことを急ぐ。何が何でも仇は早く打ちたかった。 「前に言ったと通り、天国に到達するための手伝いをしてほしい。そのためにまずは君に王位を継承してもらいたい。」 その後、話は纏まり、二人は魅惑の妖精亭を後にして、シルフィードでガリアに向かった。 第一話(16) 崩壊への序曲 その③ 「以上のことからマザリーニ枢機卿を幽閉します。賛同者は起立して下さい。」 ここは王宮の一室。アンリエッタ、マザリーニ、その他多くの貴族が今後のことで話し合っていた。 そしていきなりマザリーニの話になる。そこでマザリーニは全く身に覚えのない行為についての訴えを受けた。 横領しているだの、権力を好き勝手に使っているだの、貴重品の盗難の主犯だの言いたい放題だった。 そして話が続き、文頭の一文に繋がる。マザリーニ以外の貴族がみな、立ち上がる。 マザリーニは絶望したかのように力が抜けた。一体何が起こっているのかと。 アンリエッタの命で、扉を開け、兵が入ってきてマザリーニを連行する。 「さぁ、会議を続けましょう。」 アンリエッタの一声で、規律した貴族たちが座る。 彼らはリッシュモンとその息のかかった連中である。 「王党派のふりをしてトリステイン領を攻撃。その名目でアルビオンの内紛に参入。 そしてレコン・キスタと共同戦線。王党派と邪魔になりそうな者を相打ちさせる。わかりましたね。」 アンリエッタが話を進める。 「攻撃対象はタルブの村が候補地としてあがりましたぞ。」 「ご苦労様です、リッシュモン高等法院長。では軍役免除税を払った者はどうやって排除するのがいいと思いますか?」 「何か適当な罪をかぶせて幽閉するのが良いでしょう。戦争が楽しみですな、姫殿下。」 「ええそうね、とても楽しみだわ。ウフフフフフ。」 このあと、太后マリアンヌやアニエス・ミランなどが幽閉されていった。 第一話(16) 崩壊への序曲 その④ プッチとの約束のあった翌日、本日はシュヴルーズの授業である。 ガリアに向かったタバサは当然帰ってきていないので、無断欠席だ。 「タバサは一体どうしたのかしら?」 「そうだね、どうしたんだろう。」 ルイズはマリコルヌに話しかけていた。 同じ目的を持って旅をしたのだ。当然仲は良くなる。 それを見たシュヴルーズは、とてもルンルンで微笑んでいた。 そしてマリコルヌにいいところを見せる場面を用意してやろうとして、言った。 「ではミスタ・グランドプレ。みんなの大好きな錬金ですよ。やってみてください。」 それを聞いてルイズは思い出した。マリコルヌは現在魔法が使えないのだ。 マリコルヌがあまりにも明るかったので失念していた。ルイズはそう思った。 そして、前に出て魔法を使おうとしないで、と祈った。 だがマリコルヌは前に出て行く。そして錬金を唱えるが何もおきない。 周りは大爆笑だ。ルイズは、自分を庇ってその能力を失ったマリコルヌが笑われているのを見て、泣いて呟いた。 「ごめん、ごめんねマリコルヌ。私のせいで…。」 そんなルイズの声も聞こえないくらい野次が騒がしい。そしてある生徒がこんなことを言った。 「最近ゼロのルイズと仲が良いからなぁ。ゼロが移ったんじゃあねぇのか。ゼロのマリコルヌ!」 周りは更に爆笑する。しかし、そこで先程までシュヴルーズに心配そうに話しかけられたマリコルヌが、生徒のほうを向き声を荒げる。 「ルイズを侮辱するな!僕だったらいくらでもコケにしたまえ。だがルイズを馬鹿にするのは許さない!謝れ!」 そして静寂が訪れる。ここで何とかシュヴルーズが取り直し、授業は無事に再開した。 第一話(16) 崩壊への序曲 その⑤ 授業の後、二人は食堂にいた。 「ごめんねマリコルヌ。私のせいであんなことになったのに、私を庇ってくれて…。」 「泣かないでよ、僕のルイズ。当然のことをしたまでなんだから。それに最近泣いてばっかりだよ。笑っておくれ、僕のルイズ。」 この言葉にルイズは涙をぬぐう。そしてその後の第一声はというと… 「な、泣いてなんかいないんだから!そそそ、それに庇ってなんて一言も言ってないわ!私はあんなのまったく気にしてないんだからね!」 それをシエスタが微笑ましそうに見て呟く。 「いいなぁ、恋人がいて。それにしてもミス・ヴァリエールはどうして連れてこないんだろう。 フー・ファイターズさんとお話がしたかったのに。」 フー・ファイターズが食事を摂取しないということはすっかり忘れてしまっている。 しかし、直後に耳にしたことで、シエスタの周りは時が止まってしまう。 「おい、聞いたか、タルブの村の話。」 「ん、何かあったのかい?聞いたこともない村の名前だけど。」 「何言ってんだよお前、今は結構有名だぞ。」 「だから一体何なんだよ。」 シエスタはここまでの会話の流れで、龍の羽衣の噂でも広まったのかなぁ、なんて微笑んでいた。 だがそれは違ったのだ。 「昨晩なにやらアルビオンの王党派が、食料を手に入れるために襲ったんだとよ。」 「げぇ、本当かよ。いくら貴族派に追い詰められているからって、そんなことして貴族の誇りはねぇのかよ。こりゃあトリステインも敵に回したね。」 「そうなんだよ。村人も皆殺しにされたらしくて、姫殿下も途轍もなくお怒り、すぐさま討伐軍を編成したらしいぜ。」 「こりゃあ大変なことになったな。まさか貴族派の肩をもつなんて予想外の展開だね。」 シエスタは、持っている皿を床に落とし、その場に座り込んで泣いてしまった。 食事中の生徒たちは、何事かと一斉にシエスタを見たが、他のメイドたちがシエスタを奥の部屋に連れて行き、割れた皿を片し、生徒たちに謝ったので、何事もなかったかのように場は収まった。 to be continued…
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始祖ブリエルに祝福されし地 ハルキゲニア世界 トリステイン王国 トリステイン魔法学院にて一人の少女による召還の儀式が今行われようとしていた とてつもない存在がこの世界に招かれるとも誰も知らずに・・・・。 そして この物語の結末は誰にも予想できないとここに宣言しておこう なぜならこれは究極へ到達したある種族の男と 伝説の力を持つ少女の物語だからだ。 「宇宙の果て のどこかにいる 私のシモベ よ… 神聖で美しく、そして、強力な 使い魔よッ 私は心より求め、訴えるわ 我が導きに…答えなさいッ!!」 続く爆音 しばらくして周囲の煙が晴れた時 ルイズは成功を確信した 何かが召還されたわ!!! 私ついに魔法に成功したんだ これまでの努力が報われたのねと・・・ だが 自分が召還した それを見た時 ルイズの歓喜は落胆にかわった 空から地に鳥が落ちるように いや 天から召還魔法で隕石が落ちるように 「なに・・・これ?」 それはどーみてもただの岩だ かなり大きめだが やはり岩 無機物 鉱物 その類だ ゴーレムではない よくみれば人間の顔に見える部分もあるが まちがっても動かないので生物ではない つまり・・・失敗だ 「みろ ゼロのルイズがただの岩石を召還したぞ」 「さすがゼロのルイズ 俺達には不可能なことをやってのけるぅ!!!」 「いや あれはゴーレムなんだよっ俺にはわかるっ」 クラスメート達が岩石をみてどっと笑う 通常 使い魔として召還されるのは何らかの生物 ただの無機物である岩石を召還するメイジなど誰もいない アル意味メイジの偉業だ 魔法史の記録にのこる ここにいるゼロのルイズを除いて誰もできない あこがれない 周囲で笑い転げる 同級生達の声を聞いて 腹が立つやら情けないやらのルイズは怒りでぶちきれながら心の中で思った これならただの平民を召還した方がまだマシだったわ・・・・と。岩石に蹴りをいれたかったが 当たると痛そうなのでやめた 「 やり直しを要求します」 必死の抗議 だが明教師コルベールは首を振った 現実は非情である そして選択肢はない 「駄目です ミスヴァリエール 一人につき一回だけです」 ルイズは抗議するが答えは非情にもノー 例外はないらしい このつるっ禿と心の中でルイズは罵る だが駄目だ ハゲは融通が利かなくて困るのだ・・これとは関係ないけどね 一応召還には成功した でも ただの岩石 こんなものが使い魔と呼べるのだろうか まあ漬物石にはなるだろう コルベールは少し悩んだが やはり゛試験の原則は曲げられないとのこと やはり禿はハゲだとルイズは怒る心の中で 「うう・・そんなあ・・・」 どうすればいいのかルイズは迷った 岩にキスして契約の証を刻むのか 側からみると えらくまぬけな光景だ いやそもそも岩に契約してどうなるというんだろう・・。持ち歩けというのかしら 呼べば飛んでくる・・いや駄目 えらくシュールな光景だわ そう思いながら岩をしげしげと眺めている やはり岩だ ドーンと無言で構えている いい度胸だ。 「あらっ・・・なに これ」 ふと岩の一角に気づいた なにか宝石のようにキラキラしたものがあるような 興味がわく もしかしたら宝石が中からざくざくとあふれ出てくるのかも・・・それなら許せる ふらふらと引き寄せられるように近寄る 思わず手を伸ばして その岩をさわろうとしたとき 「とりあえず 今日はここまです ミス ヴァリエール」 背後から突然 声をかけられ 意識がはっとなるルイズ どうやら全員召還の儀式は終わったらしい 「なっなんでしょう コルベール先生」 あわてて手をひっこめて直不動の姿勢 まさか落第・・・一瞬最悪の結果を予想するルイズ そうなれば留年だ なんという不名誉 公爵家の名に泥を塗ることになってしまう・・自分の姉達の失望した顔が横切っていくそれだけは避けたいのだ 特に上の姉はオーガのように怖い だから嫁の貰い手がいない・・口が裂けても本人の前ではいえないけど 顔が変形するまで殴られそうだ 「とりあえず今日は もどりなさい これの扱いは後日考えます」 それを聞き安心する どうやら落第留年の最悪事態は避けられたらしい さすがハゲ 一応教師で判断は的確だ 博識のコルベールも 前代未門の結果に戸惑っている様子 を受ける 無理もない 岩石だし 嬉しいやら複雑な心境のルイズ さきほどの岩のキラキラをまた再確認しようとする ダイヤかもと 思いながら 「あ・・・・ない」 確かに先ほどはみた でも今の岩にはなんの輝きもない ただの無光沢な無機物のままだ 変ね ルイズの脳内ではお宝ザクザク夢の豪遊生活が十年先まで計画されていたが それは夢に終わった 腹がたつので杖で叩こうとしたが やめた 折れたら困る 首をかしげるが 気のせいだったのかと思い ルイズは教室に帰ることにした・・もちろん徒歩で 「ルイズ あとから歩いて来いよ」 「岩と仲良くしな」 からかいの言葉と共に とクラスメート達が空に浮かび 教室の方へと飛んでいく フライとレビテーションのコモンマジック メイジとしては初歩中の初歩だ それすら自分は使えないのだから ゼロのルイズと呼ばれても仕方ない 腹が立つけど はぁと肩を落としルイズは教室の方角へ徒歩で向かう 最後に一度 自分が召還したあの奇妙な岩をふりかえってみた なんでだろう気になる・・ 先ほどから見られているような感覚・・・たぶん気のせいね 実はゴーレムだったとか 口だけしゃべる んなわけないか。 ルイズが去った後・・・わずかに岩が震えた ブルブル そしてその岩に張り付いた 小さいトカゲがビシリと岩に吸い込まれ 同化される光景は誰もみていなかった。 そして・・・・その夜 夜の暗闇の中 ルイズが召還したソレは しばらくして外界の変化を感じとっていた 宇宙の冷たい零度空間ではない たしかな変化だ・・・それは大気の流れ そう空気だ!! さらにソレは己が持つ超感覚で外界の音を拾う 草木のざわめき 虫の鳴く音 獣がほえる声 人間らしき者達の寝息の呼吸・・・体温熱 心臓の鼓動っ!! そう確かに 今ソレは感じていたっ!! ここは生命の賛歌に満ちている星 ソレは生物のように肌で理解したのだっ!!! やがて岩は震えた後 少しずつ己の色を変えていく 黒から白へ そして肌の色へとっ 振動は鼓動に変わり 冷たい岩に生命の意識が蘇る!!! 無の闇が 意味のある 思考へ 百億以上の脳細胞とニューロンへ電流を流し!!四十兆もの全細胞を活精化させていくっ!!・・・ 次の瞬間!! 突如 ベキベキとソレは生物として背骨と骨殻を形成! みよっ 無機物であった岩肌が皮膚や筋肉に 神経が網のように形成され 血液が循環する様をっ 細胞に生命の息吹が 満遍なく宿り!! ドーーンと勢いよく 直立不動!! そしてギリシア彫刻美のような一つの人間が誕生していく様を !!! そこには完全な美の化身が圧倒的な力の威圧感と共に存在しているではないか! 髪は意思をもった生き物のごとく 長く流れるように広がり その筋肉は一グラムの無駄もない そしてその目は ただ一つ 頂点を極めたものだけが放つ太陽のごとき輝き とカリスマ!! 「・・・・・・・・」 彼は無言で周囲を見渡す 前 横 上ぽきぽきと首をならして運動するかのように やがて 手と足と肩の関節を ぐるぐると回す 通常人間の間接稼動範囲を無視した動きで やがてそれを終える 人間の準備運動のように 次に手を開き 何かを凝視する しばらくして戸惑うような表情になるがすぐに元に戻る 彼は思っていた 身体の機能がややおかしい 長い時を零度空間で過ごしたせいか・・。 同時に彼は思っていた 記憶の一部が欠落していると 重要な部分はないが 気になる しかし完全な存在であることは間違いないのだ と まあよい その全ての判断は 迷いも! 間違いもなく! 全て同時に的確に分析された そうあらゆる生物の頭脳 機械装置 の演算処理を上回る速さで まさに究極の天才! 「フフフフフフ・・HAHAHAHAHAHAHAHA!!!」 突如 それは喜びに打ち震えるっ!! それは高らかに笑うっ 我は究極 我は頂点 我は不死身 我は完全無欠っ!!!! 全ての 頂点の存在 同時に全てを上回る 己にっ!! ああ なんということか この星と世界は運命の悪戯により彼を受け入れてしまった! 究極の存在 故に とある星から追放され 宇宙を漂流していた この完全な究極生命体をっ!! 彼の名はカーズ! 全ての生物の頂点に立つ究極生命体 アルティメットシング カーズだ!! TO BE CONTINUED 第壱話 究極生命体 召還
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第10話:地下の大図書館、そして吸血鬼 その? 弾幕ゴッコ。元々は幻想卿内の揉め事や扮装を解決するための手段であり、人間と妖怪といった実力差のある相手や大妖怪と大妖怪のような周りになんらかの被害がでる対決をなくすために作られたものである(ってAQNがいってた)。 ルールは単純で、敵の宣言するスペルカードを避けつつ自分の弾、あるいはスペルカードを一定量相手にぶつけるだけ。ただし、避けることの出来ない弾幕を製造してはならないらしい。 にとりの言葉を思い出しながら相手と用心深く距離をとる。 「じゃあ、いい?いくよ!禁忌!【クランベリートラップ】!」 満面の笑顔でカードをかざす少女。妖夢の時のような殺気もなく、ただ純粋に楽しんでいるように見える。 「さぁ、来いッ!」 ニヤリ、と笑って構える。どっちにしろ、元々このルールは覚えなくてはいけないのだ。なら練習するのに異論は全くない! 四方八方から迫り来る赤と青の弾幕を慎重に引きつける。自分に向かってくる弾を選定して避ければ無駄に体力を消耗しないはず、と踏んだのだ。 「って、あれ・・・?」 まぁ、そんな甘っちょろい考えで避けられるほどヤワな弾幕なぞそうそうない。FFは瞬く間に前後を封じられた! 「うおぉおおおッ!?」 とっさに上へ飛び、FF弾を少女に向けて放つ。あっさりと避けられるが、反動を利用して弾幕から逃れることが出来た。 なんとか距離を離してから用心深く敵の弾を観察する。少女はこちらの様子を見るだけで何かしてくる様子はない。 「・・・おー。なるほどなァ・・・」 観察してわかったことだが、この二種類の弾はそれぞれ違う役割を与えられているようだ。 自分を追ってくる赤い弾と追われた先に待ち構える青い弾。この弾がうまく噛み合ってアレだけの弾幕が作り出されているのか。 「にとりの言うとおり、か・・・」 『弾幕はいくつかのパターンに分かれてるの。それさえわかっていればある程度は避けられるわ。』という河童の言葉を体現したような弾幕だ。 確かに、それさえわかれば避け方は自ずと見えてくる。FFは唇をなめ、再び迫ってくる弾を睨みつけた。 その頃、にとりとパチュリーは・・・ 「えーっと・・・これで、動くはず・・・パチュリーさん、えっと・・・レバーを引いてみてくれますか?」 「え?これ・・・?」 にとりの言葉におどおどとしながらレバーを引くパチュリー。すると、咲夜の時ではうんともすんとも言わなかった巨大な本棚がスムーズにスライドし、奥の本棚が見えるようになった。 「おぉー。」 「ふぅ・・・うまくいった・・・これでよかったですか?」 本棚の裏からひょこっと顔を出すにとり。ホコリと油で体中真っ黒であることにも気づかず、目元の汗をぐいっと拭う。 「うぎゃっ!?い・・・痛いィイイッ!目が、目がァアアア!」 「・・・ぷっ・・・ふふふ・・・」 まるでどこかのエセ王様の如く痛がるにとりを見てパチュリーは思わず吹き出した。 「ひ、酷いです・・・笑うなんて・・・目、目が・・・」 「ご、ごめんなさい!えっと・・・こぁー!濡れタオルと着替えを持ってきてー!」 「へぇ・・・もう気づいちゃったんだ?」 ある程度パターンを読み、自分にFF弾を撃つ余裕が出来たFFを見てにやりと笑う少女。その幽々子とも違った冷たさがさらにFFを警戒させる。 この【少女】・・・いや、【少女に見える何か】は試している。自分を。 「すごいすごい!魔理沙と霊夢以外にコレを避ける人間がいるなんて!」 「いや、私は人間じゃあない。お穣ちゃんも・・・【人間】じゃあないな?」 急に弾幕を放つのを止めた少女に怪訝な顔をしながら応える。先ほどの恐ろしい笑みがウソだったかのような無邪気な笑みだ。 普通の人間ならそれを見ただけでゲロ吐く程の恐怖を味わうことになるだろうが、FFはそれを感じなかった。 何故なら――邪気がない。 「【人間じゃあない】・・・?そっか。だから【目がたくさんある】んだね?」 「目・・・?何のことだ・・・?」 急に納得したかのようにポン、と手を打つ少女。その姿に思わず気が緩みそうになるが、先ほどの弾幕を思い出し、警戒心を保つ。 「あ、自己紹介してなかったっけ。私はフラン。フランドール・スカーレットって言うの。」 そう言ってお辞儀をする少女。咲夜やこぁと違い無駄がたくさんあるものの、それなりに似合った仕草だ。 「目ってね?みんなにあるの。それでね?それが私の手の中にあってね。キュっとするとどかーんって壊れちゃうの。」 「はぁ?」 今度こそ、気が完全に緩んでしまうFF。言っていることが全く理解できない。みんなにある目?キュっとしてどかーん?全くわからない・・・ 言っている本人もわかっていないのか、うんうんと唸っている。 「うーん・・・何て言えばいいんだろ・・・?壊して見せればわかりやすいけどお姉さまと魔理沙にやっちゃダメって言われてるし・・・」 腕を組んで必死に考える少女――フランがなんだか可愛く見えてきた。 「フラン、だったか?お前さんの能力は要するに、何でもかんでも壊せるって事でいいか?」 「うん。そういうこと。」 それは確かにやっちゃダメだな。と深く納得した。 射程や精密性、素早さなどはわからないが、下手をすれば例えば彼女が逃げられないようなトラップを作り、一斉にそれを発動したとしてもその【目】をぎゅっとしてしまえば即、どかーん・・・つまり、壊れてしまうのだろう。 「そういえば、お姉ちゃん・・・人間じゃないなら何?妖怪?宇宙人?」 「いや、そんなもんじゃあないが・・・宇宙人?」 実際に見せた方が早いだろう。幸い、水に余裕はある。そう考えたFFは適当なところにFF弾を飛ばし、クイクイっとフランを呼ぶ。 ててて、とFFのそばによっていったフランはそれを見ておー、と感嘆の声を上げた。 「増えてる増えてるー。」 「これが【私の一部】だ。これが集まって私、フー・ファイターズになってる。」 面白そうに増殖しているフー・ファイターズを突っついているフランに説明してやる。 さっきまで戦っていたとはとても思えないな、とは思うがこれだけストレートな反応をしてくれるとこちらも面白くなってくる。 FFはしばらく、フランの様子を見ていることにした。 その頃の以下略 「え!?ここにも魔理沙って本盗りに来るの!?」 「そうなの。何とかして捕まえたいんだけど・・・」 「うーん・・・私の発明も通用しないし・・・」 「こないだ、ロイヤルフレアをトラップに置いたんだけど、効果ないのよ・・・」 濡れタオルで体をふき取り、パチュリーの着替えを借りたにとりはFFが戻ってくるまでパチュリーと話すことにしたのだった。 内容は何故か魔理沙の泥棒談義である。 「普通にモノ盗むだけなら問題はないんだけどね・・・」 「むきゅー・・・」 にとりの言葉に溜息をつくパチュリー。というか溜息なのかそれは。 「まぁ・・・ねぇ・・・イロイロ盗むし・・・イロイロ・・・」 「え?他にも盗まれたの?」 「えぅッ!?ち、違うの!?」 「え、てっきり結構遊びに来てくれる事かと・・・」 「む、むきゅー・・・」 どんどんと墓穴を掘っていくパチュリーなのだった。 「うわっ!?手にくっ付いた!」 「あぁ、ソイツは水分――水に反応するんだ。水がある方へある方へと移動する。」 「へー、おもしろーい!」 しばらくフー・ファイターズ(無論、本体と違い知性などない)と遊んでいたフランを見てFFは内心、ますますワケがわからなくなっていた。 (こんな少女が、さっきみたいな笑みを・・・?何者なんだ・・・このフランとか言うヤツ・・・) こうして遊んでいる姿はやはり最初に見た子供そのものであり、先ほどの笑みがウソだったかのように思える。しかし、いやだからこそ気になる・・・ 「ん?どうしたの?お姉ちゃん。」 「ん?いや、何でもない。」 まぁ、何らかの事情があるのだろう。後でパチュリーか、ダメなら文にでも聞けばいいだろう。 「そうだ。ソイツ、フランにあげようか?」 「へ?」 びっくりしたような顔で此方を向くフラン。 「いいの!?」 「あぁ。毎日、手にすくったくらいの水をあげてればそうそう死んじまうこともないだろう。」 どうせ本来は敵にぶつける代物なのだ。それに、こんなによろこんでくれると思っていなかった。 「ありがとう!」 そう言って微笑むフランに不覚にもどっかのペド長のようにフー・ファイターズを余分に吹き出しそうになるFFだった。 そn(ry 「え、ってことは貴方もなの?にとり。」 「私もってことはまだライバルがいるのか・・・魔理沙には・・・」 「えぇ・・・アリスにフラン、幽華・・・最近は山のガンキャノンと2Pカラーも狙ってるって噂よ・・・」 「うぅわ・・・何気に競争率高いのねー・・・」 パチュリーから貰った緑茶(元は魔理沙のために買った。量が多すぎて半分くらいウーロン茶化している)を啜りながらにとりは溜息をついた。 「にしても、妖怪の山で人間と交流があるのってあの新聞記者だけかと思ってたけど・・・」 3杯目の紅茶を飲み干し、こぁにお代わりを要求しながらパチュリーが問う。 「こないだの神様騒ぎの時にあの紅白巫女と魔理沙が来てねー。それ以来お客さんが絶えなくなっちゃったのよ。」 絶えないといっても、密漁しにくる魔理沙と退屈(空腹)で山の神にたかりに来る腋巫女くらいなのだが。 「ウチと一緒か。まぁこっちはやってくるのは大抵魔理沙なのだけれど・・・」 パチュリーは溜息をつきつつうんざりした口調で言った。つもりなのだが、にとりは紅茶のカップに隠れたニヤニヤ笑いを見逃さなかった。 きっと、仏頂面(だと本人は思っている)の顔に笑みを浮かべて『何よ。また来たの?』と言っているのだろう。 「・・・?私、何か変な事言ったかしら?」 「あ!いや、なんでもない!にしても、FF遅いなぁ・・・」 ついうっかり吹き出しそうになったのがばれたのだろう。慌てて緑茶を飲んでごまかしつつ別の話題を振る。 「そういえばもう一人いたのだったわね。ここは広いから迷ってるのかも。探しに行って・・・」 バガァアアン! という何かが壊れるような音と共に、図書館全体に地響きが鳴る! 「え!?何!?」 びっくりして緑茶を引っくり返すにとりとは裏腹に溜息をつくパチュリー。どうやら原因がわかってるらしい。 「噂をすれば・・・ね。」 「噂って・・・まさかッ!?」 「そのまさか、よ。図書館より先に妹様の所へ行ったのが気に食わないけど・・・」 気に入らないのだろう、すこしぶすっとした顔でつぶやく。 「魔理沙が来たわ。」 前へ 目次へ 続き
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しばらくして、朝食を終えた生徒達が教室へ移動を始めた。 キレた目をしているルイズもディアボロを連れて教室へ向かった。無言なのが怖い。 教室には、生徒達が召喚した様々な使い魔が居た。 しかし、教室の椅子は貴族の席であり、ディアボロが座る席など存在しない。 仕方なしに、ディアボロは教室の一番後ろに行き、壁を背に立ち続ける。 その後シュルヴルーズという土系統のメイジの教師がやって来て、 生徒達が一年生の時、学んだ魔法の基礎をおさらいさせる。 魔法には四大系統というものがある。 『火』『水』『土』『風』 そして失われた伝説の『虚無』 等の話はディアボロの興味を心地よく刺激しており。 それに、教師が石ころを真鍮に変えた時はさすがに目を剥いた。 (そう言えば…使い魔が選ばれる理由は…) 召喚された直後にU字禿教師が言っていた事を思い出す。 『…現れた『使い魔』で、今後の属性を固定し、専門課程へ進む・・・』 キュルケのサラマンダーはどう見ても『火』以外ありえない……ならばキュルケは『火』の系統なのだろう。 (どおりで嫌な感じがしたわけだ) とすると、あの教師の言う通りならば。 ここに召喚されている生物は、ほぼ全てが四系統の属性に分類されるはず。 (では……私は何系統なのだ?) 火・水・土・風・虚無。ディアボロの持ち物はほぼ全ての系統に当て嵌まっていて。どれか一つに分類する事が出来ない。 「ふむ」 ディアボロが考え込んでいる最中、教室が突然騒がしくなった。 その原因は、ルイズが前に出て錬金をやる事になったからである。 (……あれが何系統なのか判断できれば、私の系統も逆説的に分かるはずだ) ディアボロのちょっとした興味。 何系統として呼ばれたのか。ほんのちょっとした好奇心 だが、ルイズの一挙一動を見守るディアボロは、生徒達や使い魔達が机の下に入ったり、教室から飛び出たのを見えていなかった。 ルイズは石に向かって杖を振り―――― ドッゴオォン! 爆発が起きた。 反応が遅れたディアボロは、その爆発をまともに……くらわなかった。 起きた爆風は、ディアボロの体に到達する前に和らぎ。 散弾銃のような小石は体に接触する寸前、燃え尽きた。 ほんの掠り傷程度ですんだディアボロだが。 彼は呆然としていた。 「な、んだと?」 爆心地はルイズ。 それを見た彼は、記憶の中のトラウマの一つが浮かんできた 『何かのアイテムが爆弾になったかも…う~むどうだったかな……?自信がない…』 この後、ディアボロはルイズの二つ名を脳裏に刻み込む事となった。 ドット!ライン!トライアングル!スクウェア!そのランクの中で、 一番下のドットにすら及ばない、魔法は使えるが何時も爆発を起こすメイジ。 成功率ゼロ!だから『ゼロ』のルイズと呼ばれている事。 そして――メイジの実力は召喚される使い魔にも反映されるらしい事。 それを聞いたディアボロは、何故ルイズに召喚されたのか納得した (私も最初は無能だったからな) ディアボロは、奇妙なダンジョンに初めて潜った時の事を思い出した。 無装備状態で手探りしながら迷宮を進み、罠や敵の手、それに自分のちょっとしたミスで何回も何回も死んだ記憶。 …………それでも、遅々とした足取りの中で実力を着け、ダンジョンを制覇した誇らしい記憶。 (これからの成長に期待と言う事か) 授業終了後、ディアボロがキュルケからそのルイズの話を聞いていると、 噂をすれば影とばかりに、その本人が不機嫌ですと顔に書いてやってきた。 「ちょっと!私はキュルケに近付いちゃ駄目って言ったわよね!?」 「硬い事言わないでよルイズ、私はアンタの二つ名を懇切丁寧に説明して上げてただけだから」 「よ、余計な事しないで!こいつは私の使い魔!あんたは関係無いでしょ!」 自分の不名誉な二つ名が知られた事を知って、顔が赤くなるルイズ。 面白そうな顔でそれを見つめていたキュルケだが。 さすがに、飽きたのか颯爽とその場を離れて行った 「じゃあね、食事に遅れるから私はそろそろ行くわ」 そして残されたルイズは、いきなりディアボロの足に蹴りを入れた しかし、その一瞬、ディアボロの周囲に砂が集まって、ルイズの蹴りを明後日の方向に受け流した。 ズダン。 滑ったルイズは華麗に転倒した。 「…何をする?」 「うるさいッ!」 不思議そうに尋ねるディアボロに罵声を返すだけのルイズ。 頭に血が昇ったルイズは、さっきの砂が集まった異常な事には気付いていない。 何も無いところで滑って転んだと言う無様な記憶だけである。 そのまま、体の埃を払うと教室を出るルイズとディアボロ。 食堂への途中、ルイズはディアボロの表情の変化に気付いた。 含み笑いをしている。それがルイズの勘に更に障った。 「なに笑ってんのよ!」 「何も笑ってはいないが?」 「笑ってた!」 「ふん?……まあ、いい。話は変わるが… お前は昨日メイジの誇りを熱心に語ってくれていたな…… それでだが、自分が魔法を使えないのはどう思っているんだ?」 言葉に詰まるルイズ。 「魔法が使えない無能の癖に、お前が言う平民で変態の私から貴族として尊敬されると思っているのか?」 「私だって…私だって努力はしてるわよ!ディアボロ!あんた、ご飯抜きだからね!覚悟しときなさいよ!」 涙が滲む目を向けながらも、捨てゼリフを残すとそのまま目の前の食堂のドアに飛び込んで行った。 「さっきの言葉は流石に厳しかったか?」 ディアボロなりに発破をかけたつもりだが、ルイズは想像以上に痩せ我慢をしていたようだ。 そしてディアボロは、食堂に入らなくては昼食を食べられないという事に溜め息をついた。 このままだと餓死する。さりとて、DISCの無駄な消費は避けたいとディアボロが悩んでいる時。 「あの……どうかなさいました?」 声がかけられた。 振り向くと、そこには夜空に輝く無数の星と同じ数ある男のロマンの一つメイドさんの姿をした少女。 「何でもないが……」 「もしかして、貴方はミス・ヴァリエールの使い魔になったって噂の平民の変態の……」 平民の変態発言を軽くスルーするディアボロ。指摘してもどうにもならないって事もあるが。 「お前もメイジなのか?」 「いえいえ、私は違います。普通の平民です。 貴族の方々をお世話するために、ここでご奉仕させていただいてるんです」 普通のと言う所を強調して発言するメイド。 そこまでして、ディアボロと同じだと思われたくないのだろうか。 「…………」 「私はシエスタっていいます。貴方は?」 「ディアボロだ」 「そうですか…それで、ディアボロさん。 こんな所でどうしたんです? 本当に何もお困りでないんですか?」 シエスタの目を見るディアボロ 腹に一物を隠し持ってはいないようだ。純粋な親切心から彼に声をかけたのだろう。 (これは、昼食の代わりを用意してもらえるか?) 「昼食を抜かれてしまってな」 「まあ!それはお辛いでしょう、こちらにいらしてください」 ディアボロがこっちに来て初めて出会った貴族以外の人間。 シエスタの対応を見て、何となく利用できそうだと外道チックな事を考え始めていた。 <<前話 目次 次話>>
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第四話:地獄の閻魔とその助手 「まず先に無縁塚に行きましょう。どうせ、白玉楼への通り道ですし。」 と言う文の言葉に従い、FF・にとり・文の三人は早速無縁塚へ向かうことにした(椛は本来の番人の役割に戻っていった)。 本来なら飛んで向かう所だが、にとりとFFは飛べない上に致命的な弱点があった。 「二人共、面倒くさい弱点持ってるわねぇ…」 「やかましいッ!」 「私達も好きでこんなもん引きずってる訳じゃないっ!」 文の一言に噛みつく二人。彼女達の後ろには樽が入った台車。それぞれ片手にコップを持ち、飲みながらもう一方の手で台車を引きずる姿はどこかの神主を連想させる。 しかし樽の中身は酒ではなく、河の水である。 FFに水が必要なのは前述の通りであり、にとりもエンジニア云々以前に所詮河童である。定期的に水分を補給しないと下手をすればFF以上の速度で干からびるのだ。 上空では文が此方の様子を見ながら禿鷹よろしくぐるぐると回りながら飛んでいる。 「にしてもにとり。エンジニアなのに空飛ぶ機械とか作れないの?」 「無茶言わないでよ。そんな技術、今の幻想郷にあるわけないでしょ?」 文の言葉に、にとりはストローで水をすすりながら応える。実はこの数年後に某紫モヤシがスペースシャトルを造り上げてしまうのだが、それは余談である。 「おい、にしてもまだ着かないのか?もう半日も歩き詰めなんだが…」 樽の中を心配しながらFFが聞く。水は一応、樽二つ分持って来てはいるが、既に一つめがなくなりかけている。 「もうそろそろですよ…ほら、あそこです!」 文が地上に下りて植物(彼岸花という毒草だと後で知った)で覆われた道を指さす。その先には開けた丘があり、丘の上には四人の男女が何やら騒いでいた。 「あれ?てっきり映姫様と小町しかいないと思ってたんだけど…」 文が首を捻る。本来会う予定だったのはその二人だけの筈なのだ。よく見ると、四人のうち、二人は正座をしていて、二人は仁王立ちである。 「全く!妙にやってくる幽霊が少ねェと思って来てみればッ!」 「またサボってたのですか小町!ペッシに任せきりにするなと何度言ったらわかるのです!」 「あーえぇッと…」 「い、いや、怒らねェでくれ兄貴!映姫様!俺がちぃッと仕事に慣れてきたから一人でやらせてくれッて小町に頼んだだけで…」 「ペッシペッシペッシよぉー。別に俺達ゃあお前が一人でやろうとしたことを責めてるわけじゃあねぇ。」 「一人でやろうと言う意思は立派なものです。しかし、だからと言って小町がサボっていい口実にはならないッ!そして、それを貴方が容認した事を怒っているのですよペッシ!」 物凄いコンビが交互に説教しているようだ。説教されている鎌を持った赤髪の女とパイナップルのような頭の男は涙目で互いの顔を見合わせている。 「閻魔様が増えてる…これは判断間違えたかしら…」 文が顔を青くして呟く。彼女は過去に、「己の記事に盲信的すぎる」と、三時間程説教を受けたことがあるのだ。 「…ん?新聞記者の烏天狗ではありませんか。また私の話を聞きに来たのですか?」 「いっいえ!それはまた今度に!」 立っている二人の内、緑を基調とした幼さが残る女性がこちらに気付いて声をかけてくる。 「ん?妖怪の山の河童と…どなたですか?幻想郷の者ではありませんね?」 「あぁ。私はフー・ファイターズ。FFと呼んでくれればいい。ここに死人に詳しいヤツがいると聞いて来たんだが…アンタがそうかい?」 「はい、その通りです。私は四季映姫・ヤマザナドゥ。あちらのスーツを着たのが助手をやってもらっているプロシュート、鎌を持ったのと髪を立たせたのが部下の小野塚小町とペッシです。」 「足がッ!足が痛ェッ!」 「プロシュート兄貴!アタイら反省した!反省したから正座だけ直させて!」 「やかましい!まだ説教は終わってねぇんだよ!俺と映姫が戻って来るまで正座してやがれッ!」 何やら悶えている二人に一喝して、スーツ姿の男―プロシュートがこちらにやって来る。 「プロシュートだ。一応元外の人間でな。ある程度なら、相談にのれると思う。」 言いながら右手を差し出す。FFも手を出し、握手に応じる。握手した瞬間に違和感を感じ、プロシュートは顔をしかめる。 「お前の手…まさか、【人間じゃあない】のか?」 握手しただけで正体を見抜かれ、驚くFF。見ると、プロシュートの後ろから人型の「何か」が煙を上げている。 「プロシュートっ!貴方は…」 「黙ってろ映姫!コイツはスタンド使いだ。危険性は説明しただろうッ!」 声を上げる映姫を黙らせるプロシュート。幻想郷に住む人間にとっては考えられない光景だ。逆に言えば、このプロシュートという男はそれほど映姫に信頼されている、ということか。 「そうか。お前もスタンド使いか。しかしさっきもいったが、私は聞きたい事があるだけだ。敵意はない。だから、スタンドをしまってくれないか?」 FFは、身体中からから水分が抜けていくのを感じながらも、表情を崩さずに言う。目線は外さない。プロシュートはそんな彼女を暫く見つめると、スタンドをしまい、頭を下げた。 「いや、すまなかった。さっきお前の事を【危険だ】なんて言ったが、撤回するよ…無礼な事を言ったな。」 言いながらプロシュートが手を離す。すると、自分の身体に水分が戻るような感覚が起こった。 「いや。危険だと言ったそっちの判断は正しい。問題はないさ。改めて紹介させて貰おう。私はフー・ファイターズ。FFと呼んで欲しい。」 身体の調子を確かめたFFはプロシュートに改めて握手を求める。スタンド使いを警戒するのは当然の行動だ。 「そう言ってくれると助かる。改めてよろしく、だな。」 先ほどとは違った、柔らかい笑顔を浮かべて握手に応じる。 その瞬間、回りの空気が一気に緩むのが感じられた。にとりと文など、樽の中で大きく息をついている。いつの間に入ったのだろうか?というか助けようという意思はないのか? 「それで、私に聞きたい事があるようですが…」 映姫の言葉にFFはここに来た目的を思い出す。 「と、言っても大体の想像はつくがな。ここは死後の世界じゃないか、自分以外にスタンド使いはいるか、だな?」 プロシュートの言葉に頷く。ちなみに、にとりと文は話について来られないのを自覚しているのか、離れた所にいる小町とペッシをつっついている。何をしに来たのだろうか? 「前者に関してはノー、です。貴方がたの世界の【死後の世界】はちゃんと別に存在しています。」 映姫の言葉は大方FFが予想していた答えだった。しかし、その後のプロシュートの言葉は彼女にとって以外なものだった。 「後者だが…スタンド使いである俺が言うのも何だが…スタンド使いはいるにはいる。だが、どうやら本来のルールは存在しない、と考えていいだろう。 現に俺も幻想郷に来て数ヶ月たつが、お前が、俺とペッシ―あの正座してるヤツだが―以外にここで初めて見たスタンド使いだしな。」 「そんな、馬鹿なッ!【スタンド使いは引かれ合う】。それは絶対のルールな筈だろう!」 「驚くのは無理はねぇ。俺だって最初はいつ、どんなスタンドが襲ってくるのかってー思いながら暮らしてたんだからな。」 「貴方がたの【世界だけ】のルールであるようなのです。この【幻想郷】ではそれは役に立ちません。」 声を上げるFFにも驚く事もなく平然と答える二人。恐らく、プロシュートも同じ感想を持ったのだろう。あるいはペッシか。 「まぁ信じられないのはわかるが、来ないものを考えて肩肘張っても仕方ねーッてこった。」 「恐らく、スタンド使いに襲われるよりも妖怪とか巫女や魔女に襲われる方が多いでしょうね。」 二人の言葉に嘘はないだろう。つく理由が思いつかない。しかし、そうなると【自分が何故ここにいるか】の答えがなくなる。 「外の世界」ではプッチがDISCを入れた、という「理由」があった。なら今回は何故存在できているのだろうか? 「どうしても気になるなら白玉楼の西行寺幽々子を訪ねてみたらいかがですか?私よりここの死人には詳しいでしょう。」 白玉楼。文が言っていたもう一つの場所か。確か通り道だと言っていたか。 「すまない、助かったよ。ありがとう。映姫、プロシュート。」 「いえいえ。お礼を言われるのも久しぶりですね。」 「そりゃ、説教ばかりしてっからだろう?」 「貴方がそれを言いますか?」 「ま、人の事は言えねェか。俺も。」 FFの礼の言葉に、茶化しあう二人。お互いにあまりそういうのに慣れていないのだろうか。 「ふふ、大変だな。閻魔というのも。」 「それでも中々やりがいがあるんですよ?」 FFにウインクで返す映姫。こうしてみると、とても地獄の閻魔とはとても思えないくらい可愛らしい。 「あぁ、済まないが一つ頼まれてくれないか?【もし】でいい。 おかっぱ頭のブチャラティって男をもし見つけたら、プロシュートが会いたがってると伝えてくれ。酒を一緒に飲みたいと。」 プロシュートが思い出したように言う。友人だろうか。FFには断る理由もなかったので、引き受ける事にした。 「わかった。見つけたら確かに伝えよう。見つけられる事を祈るよ。」 「すまない。頼む。」 プロシュートが頭を下げる。よほど大切な友人なのだろう。 「それじゃあ、私は行くとするか。にとりー!そろそろ行くぞー!文!道案内を頼む!」 「あ、終わりましたか?」 「もー、待ちくたびれたよ!で、次は?」 「白玉楼だ。文、すまないが…」 「道案内ですよね?任せて下さい!ただ、もー少し記事にしやすい内容にしていただけると助かります。前回にしろ今回にしろ。」 「努力はするが…」 喋りながら無縁塚を去る三人を、プロシュートは感慨深げに眺めていた。仲間の事を思い出しているのだろう。 「やれやれ。今日は忙しい日ですね。」 「八雲藍、だったか?あの狐。面白くねぇが、アイツの言う通りになりやがったな。」 「彼女の主は頭が切れますからね。…怠け者ですが。」 「ふん。…そういや、ウチの怠け者とマンモーニは…」 振り向くと、正座の姿勢で悶えているのはペッシだけで、小町の姿が見えない。 「あンのアマぁ!また逃げ出しやがったか!」 「ペッシ!小町はどこに行ったのですかッ!言いなさい!早くッ!」 「わからねぇよ!わからねぇから、ゆらさないでくれ映姫様!足が、足がー!」 幻想郷は、今日も平和です。 前へ 目次へ 続き
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雲海の騎兵と奇妙な偵察 依頼主 :ギルドン(アバラシア雲海 X15-Y39) 受注条件:レベル50~ 概要 :ローズハウスのギルドンは、バヌバヌ族の斥候に関して冒険者に頼みがあるようだ。 ギルドン 「おお、御客人、よいところに来た! あなたが発見した高台のバヌバヌ族について、 とある巡察兵の報告書を思い出したのであ~る! バヌバヌ族は何度も高台に現れ、 その都度、巡察兵に追い払われているそうだ! 報告書では「定期的な偵察」と結論づけられてい~る! ・・・・・・しかし、奇妙だとは思わぬか? なぜ、バヌバヌ族はあの高台にこだわるの~か!? 調べに行きたいが、歩哨を抜けるわけにはいかぬ。 すまぬが、再び高台に赴いてバヌバヌ族を探し、 奴らの企みを暴くカギを見つけてほし~い!」 バヌバヌ族を探し、襲われたら討伐 バヌバヌ族の斥候 「変化はなくとも、苔生す岩のごとく、偵察を続けねば。 ・・・・・・ムッ、何奴!?」 ギルドンに傷だらけの骨を渡す ギルドン 「待っていたぞ!! バヌバヌ族の企みを暴くカギは見つけた~か!?」 (傷だらけの骨を渡す) ギルドン 「これは・・・・・・動物の骨だな。 文字には見えぬが、模様のような傷跡が、 ビッシリとつけられているようだが・・・・・・。 意味するところはわからぬが、 高台から見える「何か」を記していた証拠であ~る! これはもしかすると、武勲に繋がるかもしれぬ! 骨について、引き続き調べてみよ~う!」 傷だらけの骨:バヌバヌ族が落とした動物の骨。模様のような傷跡がある
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ギーシュ空間とは! ひとつ、哀れなり! ふたつ、決して攻撃されず! みっつ、決して救われることは無い! よっつ、あらゆる同情や憐憫を兼ね備え、しかもそれらを無意識で行う! そしてその空間はとても居辛く、嗚咽交じりの沈黙を基本形とする。 うお!?今何か電波を受信したような気がする。なんだったんだあれは…… いや、今はそんなことを考えている場合ではない。早くこの雰囲気を何とかしなければ! ギーシュをこづいたりしてやめさせたいがあまりにも不憫すぎてためらわれてしまう。無視したいが無視できない何かを兼ね備えているがごとくその場から離れられない。 もう望みはワルドだけだ。さっきもこの雰囲気を壊そうとしたんだ。ならもう一回してくれるはずだ。何か策があるはずだ。もうこの雰囲気はごめんだ! そう思いワルドに目をやるとワルドもこちらに目線を向けていた。なにやら目配せをしてくる。何かするつもりのようだ。 そしてワルドはルイズを見やりルイズにも目配せをする。 ワルドは突然口笛を吹く。すると朝靄の中から何が出てくる。それは奇妙な生き物だった。 鷲の上半身にライオンの下半身がくっついた生き物だった。何かで読んだことがあるな。たしかグリフォンとかいう空想上の生物だ。 この世界には本当に居るのか。 ワルドはグリフォンに颯爽と跨ると、 「おいで、ルイズ」 と手招きする。 「は、はい」 ルイズはこれに便乗し跨る。そしてワルドは「さあ、きみの番だ!」とでもいう風に視線を向けてて来る。 ああ、私の番だ。ギーシュ空間が緩んだ今しかない! 「剣を忘れたからとって来る」 そう言い残し時自分でも惚れ惚れするような速さで逃げ出した。 そしてデルフリンガーをとって帰ってきてみた光景は、いくらか憔悴した顔のワルドとルイズ、そして復活し馬に跨っているギーシュだった。 どうやら二人でギーシュ空間を治めたらしい。ワルドとルイズの恨みがましい視線を極力無視し馬に跨る。 そしていつまでもこうしているわけにはいけないと思い出したのだろう。 「では諸君!出撃だ!」 ワルドが思いを振り切るように杖を掲げた! グリフォンが駆け出す。それを追うように私とギーシュも馬を走らせた。 さて、一体どれくらい馬に乗ることになるのやら……
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第15話:人間が好きな妖怪 その③ 重ちーと慧音のやりとりを見ていた人物は、慧音が教えている生徒の一人だった。 その子供は毎日のように遊んでくれる重ちーの事が好きだった。少し抜けているところが好きだった。そのクセに間違っている事を間違っていると言ってくれるその姿勢が好きだった。 そんな重ちーが不思議な力を使っているのを見てしまった。重ちーが【普通の人々と違う】事を知ってしまった。 そんな【事実】を知ってしまった子供が周りの大人に喋るのはある意味必然と言えただろう。憧れの人物が普通と違っていたのだ。喋ってしまった子供を誰が責められただろうか? ただ一つの【不運】は。 その子供の報告を聞いていた大人の中に、慧音の言う【妖怪を嫌う人間】がいてしまった事だろう。 しかし、その【不運】は【その人間】の不安を煽り、更にはその不安を拡大させてしまった。 そして、そういう感情に限って拡大は早いものだ。たちまちのうちに重ちーに対する不信感が強まっていってしまった・・・ FFが寺子屋に来た次の日の夕方。 いくら住人のほとんどがヒマを持て余している幻想卿とはいえ、例外は必ず存在する。 幻想卿最強の妖獣と呼ばれる【八雲藍】もその一人だ。基本的に24時間単位で忙しい彼女は朝は結界の見回り、昼は住処の掃除、夕方にはマヨヒガで猫相手にプロレスか寺子屋で遊んでいる橙を迎えに行き、夜は主人を起こすという生活を送っている。 1日のほとんどが仕事の彼女にとって、橙とのコミュニケーションはある意味オアシス(スタンドに有らず)に近いモノがある。そして橙の成長の報告は微笑ましく、楽しみな事でもあった。 「それでね、それでね藍様!今日からね?FFって人が先生になったの!」 「そーかぁ。新しい先生かぁ~。」 「うん!それでね!今日はね!反対の言葉を教えてもらったの!」 「そっかぁ。また橙は賢くなったんだなぁ・・・」 「うん!コーヒーの反対は紅茶でねっ!塩の反対はソースなの!ブタの反対はシャケなんだって!」 「そっかぁ~・・・・・・・・・そうか?」 今の藍を見た者は絶対にこのキツネが最強の妖獣であるなどとは思わないだろう。それほどまでに目尻と頬の筋肉は緩みきり、某メイド長並に鼻血をたらさんばかりの顔で橙の報告を聞いているのであった。 親バカと言われようと知った事か。この子と一緒にいる事が何よりの精力剤となるのだから!それにこんなに楽しそうに報告をしている橙を見たら鼻血の1リットルや2リットルも出るというもんだ! この幻想卿一のバカ親子(⑨ではない)はそんなやりとりをしながら人間の里へと歩いていった。今夜の夕食の買出しの為だ。 だが、そんな緩みきった顔も人里に入った瞬間に引き締まる事になる。 「ら、藍しゃま・・・?」 「あぁ。どうもおかしいな・・・?」 怯える橙をなだめつつ、周囲に注意を向ける。 見た感じはいつもと全く変わらない商店街である。歩いている人間達もいつもの通りだ。 だが人間達の様子がどうもおかしい。まるで【何かおかしなもの】でも見るような目をしている。その目線の先はほとんどが【橙】に向けられていた。 本来の藍なら橙にそんな目をしている人間など即座に八つ裂きにしているところだ。だが、【目に映る全ての人間】が【同じ目をしている】事が藍を警戒させた。 (自分ならまだわからないでもない・・・一応大妖怪の一人だしな・・・だが、何故【私】ではなく【橙】なんだ・・・?) 慧音の頼みで橙を寺子屋に通わせているからか? ノン 橙が寺子屋に行くようになってからもう1週間だ。今更警戒したところでどうなる? 橙が何かやらかした・・・? ノン 橙はいい子だ。何かやらかしてしまったら必ず報告するよう言ってある。報告は今まで一度もない。 橙の配下の猫共か・・・? ノン 橙の実力的に猫共が力を持つ事はない。何かしたとしてもノラ猫レベルのはずだ。 自問自答を繰り返すが、答えは出ない。【理由】がない。【自分】ではなく【橙】のみを見る【理由】が。 藍はそこで思考を中断する。無駄な事はいくら悩んでも無駄なのだ。自分はそれに答えられるだけの【欠片】を持ち合わせていない。 さっさと買い物を済ませて帰ろう。そう考えた藍は橙を連れ、商店街に入っていった。 「やぁ、調子はどうだい?」 「ん?あぁ、八雲ンとこのキツネとネコじゃあねぇか。いらっしゃい。」 幻想卿ではめずらしい黒い肌をしたがっしりした女性が応対する。 この店は店主がハイハイをしていた頃から知っている旧知の仲だ。更に売り文句が『妖怪も人間も御用達』である優良店である。 「鳥肉と兎肉、それにネギとショウガを貰えるか?」 「おぅ。あと、このダイエットコークはサービスしとくぜー。」 藍の注文に応えながら籠に商品を放り込んでいく。そしてどこからか『ダイエットコーク』と描かれた缶を最後に放り込んで藍に渡した。 この店主は必ず『ダイエットコーク』をサービスするのだ。どこから調達しているのかわからない幻想卿七不思議の一つである。 「ありがとう。この飲み物は紫様が大好きでね。売ってくれないか?」 「そういう訳にもいかねェんだよォオオ。すまねぇがな。」 この会話もいつもの事だ。少なくともこの店はいつも通りであるらしい。少し安心し、去ろうとした藍に店主が声をかけた。 「あ、もう一つサービスだぜー八雲ンとこの。しばらくそこのネコを寺子屋に行かせない事を薦めるぜェ。」 その言葉にピタリと動きを止める藍と橙。言葉に含まれる意味を図りかねたのだ。 「・・・どういう意味だ?」 「一万、と言いてェところだがまァ個人的に気に入らねェんでな。サービスしとくぜ。その籠ン中だ。」 ニヤリ、と笑ってその【店主】は籠を指差した。 その翌日の昼。 重ちーは完全に意気消沈していた。 今日も今日とて慧音の言いつけをスコーンと忘れ、農家の手伝いに行ったのだが手伝わせてくれなかったのだ。 それどころか誰もがこちらと話をしようとしてくれない。誰かに話しかけようとしてもそっぽを向かれ、こっちを向いてくれない。 いくら寺子屋で手伝いをしているとはいえ、重ちーはまだ14歳の子供である。邪険に扱われて平然と出来るわけもなく、トボトボと寺子屋に戻っていっているのだった。 「・・・一体どうしたんだど・・・?みんなが冷たいど・・・」 手のひらに乗っけたハーヴェストにボソボソと話しかける。慧音には『絶対に人前でその能力を使うな』と厳命されているが、誰も見ようとしていない今ならいいだろうと話し相手用に呼び出したのだ。 「オラ、なんか悪いことしたか・・・?こっそりオラだけスイカを2玉食べたのがいけなかったのかど・・・?それとも手伝いの報酬を上げてくれって言ったのが悪かったのかど・・・?」 実に重ちーである。無論、そんな理由であっさり嫌うような人間はいない。 だが、自分で考えた事を勝手に自分で信じてしまうのも人間であり、重ちーである。きっとスイカを食べた事に違いないと頭を抱えながら寺子屋に戻っていく。 そんな彼が帰ってきて見たものは。 敬愛する教師達を取り囲む人里の男達であった。 FFは完全に混乱していた。 当然だ。新任の教師として来て、2日目の出来事である。紅魔館(の図書館)に行く予定であるにとりを置いて学校に行き、早苗と一緒に子供達に計算式を教えていたはずだった。 急に慧音が神妙な顔で入ってくるなり、『子供達を部屋から出さないでくれ』と言ってきたのだ。 ひとまずその場を早苗に任せ、詳細を聞きに慧音の後を追って校舎から出たFFが見たもの。それが、この光景だ。 「・・・コイツは何の冗談だ?慧音。」 「判らない。身に覚えがない以上、判りようがないが・・・妹紅?」 「竹林の糞NEETだったら腐るほどあるが・・・少なくとも私は人間のつもりなんでね。身に覚えはないな。」 既に外に出ていた妹紅も判らないようだ。FF自身にも思いつく限りはない。【外の世界】なら掃いて捨てるほどあるのだが・・・ だが、そんな彼女達を嘲笑うかのように殺気だった男達がこちらにやってくる。これが現実だ。目を逸らすわけにもいかないだろう・・・ 「何の用ですか!?今は授業中です!」 慧音の声にも耳を貸そうとしない。ただ、こちらを睨みつけながら持っている鍬や鉈を構えるだけだ。 女三人にあまりに物騒すぎるように見える。が、まぁ妖怪に半妖、不老不死が揃っているのだから鍬や鉈では弱すぎる位か。 「すまないが、ここに来た理由を言ってくれ。場合によっては私達もそれなりの対応をせざるを得ない。」 「え、FFッ!?」 「コイツ等の目・・・気に入らねェ・・・。【こんなところ】に来ているくせに【マジで怯えた目】をしていやがる・・・二つの事が矛盾してるンだよ、慧音。」 FFが指を男達に向ける。それに驚く慧音をよそに妹紅の周囲の温度がどんどんと上がってゆく。妹紅も戦闘準備を行っている証拠だ。 妹紅の言葉を証明するかのように男達の輪が遠くなってゆく。攻撃される、と思っていなかったのだろうか? 「なぁ。お前らが何の目的でココに来たのかはもう【興味】はねぇな。だが、【一つ】答えてくれねェか?」 「お前達は【攻撃されるかも知れない】っていう【覚悟】をして来てるのか?なぁ。慧音の寺子屋にそうやって【武装】してるって事はよォ・・・」 FFと妹紅が更に詰め寄る。詰め寄っただけ後ずさりする男達。 これで【理解】できた。コイツ等は理由は知らないが、慧音に【何か】を【強要しようと】している。だが、【攻撃される】事は想定していない・・・ 自分は攻撃されない【だろう】という身勝手な【ルール】でココに来た【大馬鹿者】と言う事か・・・ 「何て茶番だ・・・くだらない。基本的に人間は好きだが、こういう所が人間の駄目なところだ・・・」 完全に興が削がれたFFは狙いを定め、出来る限り被害が少なそうな部位を狙ってFF弾を撃ち込んだ。 前へ 目次へ 続き